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| 標準ランドルト環 |
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| 上の小さい方のランドルト環が5メートル離れたところから見えれば視力1.0です。 |
日本人が遠方視力について関心を持ち始めたのは、徴兵制度のあった第一次世界大戦のころだといわれています。視力と戦争というのは、なんだか意外な取り合わせに思えるかもしれません。ところが、これらには密接な関係があるのです。
日本がほかの国々と戦争をしていた当時、兵士たちの主力兵器はライフル銃でした。それを上手に使いこなすためには、遠くにいる敵にきっちりと狙いを定めることができる、遠方視力の良い眼が必要だったのです。
そこで軍はどのような手段を講じたのか? 遠くのものをどれだけはっきり見分けることができるのか、つまり「遠方視力」の検査を徴兵の際に行いました。戦争という確固たる目的のもと、視力の良い軍人だけを選んで集めようとしたのです。
そのときの検査で設けられた基準が視力1.0です。視力1.0というのは1キロメートル遠方にある30センチの幅の指標を見分けられる能力があることを意味します。ちょうど戦場でのライフル銃の射程距離が1キロメートル、標的である人間の胴体の幅を30センチとして、それを遠方視力を測るための基本としたのでした。
このとき以来、視力といったら遠方視力、良い視力の基準といったら1.0、というのが定着していきました。すでに、現在の日本には徴兵制度というものはありませんが、視力に関してだけは、今でもその名残りをとどめているのです。
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繰り返しますが、視力1.0というのは1キロメートル先にあるたった30センチの幅のものを見分ける能力のことを指します。これはものすごい能力です。
視力は比例計算しますから、視力2.0は2キロメートル遠方の幅30センチの指標を見分ける能力があるということになります。現代社会において、それほどの能力を発揮しなければならない機会や場所などは、そう多くはありません。むしろ40歳を過ぎた人のなかには、視力が良すぎるがためにかえって眼が疲れ、頭が痛くなったり肩が凝ってくるということさえあります。
結論を急ぎますと、みなさんが日常生活を送るうえで、両眼での視力が0.7〜0.8あれば困ることはないとされています。700〜800メートル先の遠くのものがちゃんとはっきり見えれば生活に支障はないのです。自動車の運転免許証の条件をみても、定められた視力は0.7、このことは公的な機関でも保証されています。
しかし、日本人はさきほど述べたような歴史的な背景から、視力1.0に対してのこだわりを持っています。また、その1.0というのはちょうどキリのよい数字だということにも惹かれる原因があるのかもしれません。
本来は、視力が0.7〜0.8であれば、裸眼で生活することに不自由はしないはずです。メガネやコンタクトレンズに頼る必要はありません。
アメリカでは、メガネやコンタクトレンズを利用する生活は社会的な弱点になるという考え方があります。ですから元来、0.7程度の裸眼視力があれば、あるいは近視矯正によって裸眼視力が0.7くらいに回復すれば、それで十分と納得する人が大多数です。アメリカでの視力表示は日本と異なり、分数で表します。たとえば視力1.0であれば20/20、0.7〜0.8であれば15/20、1.5は30/20。しかし40/20(つまり視力2.0)はほとんど表示されることがありません。きっと、そこまで見えても仕方がないという考え方が浸透しているからなのでしょう。
もちろん、視力は良いにこしたことはありません。最近のクルマの性能やスピードは一昔前と比べると格段に上がっていますから、特に自動車の運転に関しては1.0の視力はあった方が望ましいでしょう。また、外で活動的に動き回る若い人たちや子どもたちは、もっともっと視力があればいろいろな情報をよりたくさん受け取れるのに、と思うことでしょう。やはり、0.7の視力よりも1.0の方がいいに決まっているのですから。
しかし、これだけはぜひ憶えておいてください。「視力は0.7〜0.8程度あれば日常生活には困らない」。ですから、それよりも視力の悪い人はまず最初の目標をこの数値に決めて回復を目指すとよいでしょう。 |
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| 遠方視力 |
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